2014/01/24

青空読書 10 「吉原百人斬」正岡容

青空文庫「吉原百人斬」正岡容

昭和初期から中期にかけて活動した作家、落語・寄席研究家である正岡容が書いた、講談師、神田伯龍の追悼エッセイ。初出は雑誌「あまとりあ」1951年4月号。

死んだ神田伯龍が得意とした講談「吉原百人斬」を再現を交えながらその魅力について語っているのだが、小説仕立の再現部分とそれを評する正岡容の語りが錯綜する感じはメタフィクションのようで面白い。

最初、タイトルを見て「吉原」で「百人斬」だから吉原の遊女を百人相手にした男の話かと思ったらそうではなかった。歌舞伎にもなっている有名な講談で佐野次郎左衛門という男が遊女八ツ橋との恋のもつれから、八ツ橋その他大勢を惨殺したという実話に基づいた話。

追悼されている神田伯龍は五代目で、江戸川乱歩の明智小五郎のモデルとしても知られている人物。

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